概略
発達障害の1つで、自閉症スペクトラム障害の中で
知能や言語の遅れが無いものである。
また、臨機応変に人と接することが苦手で、自分の
興味・方法・ペースの維持を最優先させる志向が強い
のが特徴である。
社会生活の中では、融通がきかなく、ちょっと変わっ
ている人と認識されるだけで、発達障害であっても
日常生活を送れるが、一方で受験や就職活動などの
人生における大切な時期においては、自閉症スペク
トラム障害と言われるように、不都合な状況や障害が
発生してしまうのである。
基本的な3つの特徴
①こだわり行動
(ア)興味のあることや好きなことへの知識が豊富。
例・・鉄道、コンピューター、天体、動物
(イ)きまった順序・道順にこだわる。
(ウ)予定が変わるとパニックを起こす。
(エ)活動の切り替えが苦手
例・・仕事モードから休みモード
②社会的なやりとりの障害
(ア)マイペースな行動が目立つ。<周囲に合わせられない>
(イ)会話する時に人と目を合わせるのが苦手。
(ウ)名前を呼ばれても反応しない。
③コミュニケーションの障害
(ア)空気を読めない
→表情から相手の気持ちを読み取れない。
(イ)言われた言葉をそのままオウム返しする。
(ウ)例え話をされても意味が通じない。
(エ)自分の興味のある話を一方的にしてしまう。
(オ)敬語が不自然である。
話し方の特徴
①会話が成り立たない時がある。
②年齢の割に大人びた話し方、丁寧な話し方をする。
③難しい言葉や漢字表現、英語表現を好む。
④気に入ったことを繰り返し言う。
※ アスペルガー症候群の方は、環境さえ合えば
圧倒されるような困難感を抱くことなく人生を抱く
ことなく人生を送れるうえに大きな力を発揮する
ことがあるからである。
個性を生かして充実した人生が送れるはずである。
克服例①
系列の予備校(深井看護医学ゼミナール)の卒業生Aさんの場合。
三十代前半で犬好きなAさんは、看護助手をしていて
看護学校の受験のため系列の予備校の深井看護医学
ゼミナールに入会してこられました。
対人関係は苦手で、昔から家族関係や職場での人間
関係で悩んでいたようです。
学生時代から他人と違う感性があり、常に距離を
置かれるので、社会の中での自分の立ち位置が分から
なかったそうです。
趣味は読書であらゆる本を読み、その世界観に触れる
ことで精神のバランスを保っていたようです。
それが強みで、文章の読解力は抜群で漢字の読み書き・
文章表現能力も得意とされていました。
対して数学は苦手で、基本事項からやり直すことになった
のですが、一つのことに集中する性格から、計算はもちろん
文章題(食塩水、M距離・速さ・時間など)や関数、図形、
証明などグングンと伸びていきました。
本人は、面接を一番気にしていたのですが、何度も練習する
ことで自分に自信が持てるようになり、前向きな取り組みが
できるようになりました。
結局、本命の看護学校へ無事に合格できました。